やってはいけない叱り方
やってはいけないしかり方は相手の人格や、信念、価値観を否定するような言い方です。しかし、これは皆さん、既に自覚されているのではないでしょうか?
分かってはいるけれども、つい、感情的になってしまう。何故だかわからないが、相手の話を聞いているとイライラしてきて、つい、言わなくてもいい事を言ってしまう。と悩んでいるのではないでしょうか?
相手がなんで叱られているのか分からないようなしかり方も同じように駄目です。
相手が理解できない事が理解できていないタイプの方は一定数いらっしゃいます。説明しているようで自分の思いを一方的に熱く語っても、叱られている方は「分かりました」としか言えなくなります。
怒った方は、分かってくれたか、と思うのですが、実は全く理解されていない。なんで、あの人、あんなこと言うんだろう?と思われていたりします。
怒りを感じたら
また、相手の言動や、行動で思わずカッとなり怒りがこみ上げる事もあるでしょう。
怒りは表面的な感情で、その裏に有る本当の感情に気が付くことが大切になります。それについても記事にしているので良ければ参照してください。
怒りの原因は色々ある
どうして、あんなに頭にきたのだろう?と思うことありませんか?怒りには色々な原因が有ります。原因が分かると自分の怒りのボルテージが下がったり、気にしなくなるように成ります。
心理学の交流分析ではゲームと呼ばれるものが有ります。
「言いたくない事」、「承認欲求が素直に言えない歪んだ形の承認欲求」があり、本心と違う形でコミュニケーションをとる、パターン化された会話の事を言います。
厄介なのは、本人も無意識でゲームを仕掛け、仕掛けられた方も無意識にゲームに乗ってしまう。というものです。
あら捜し、は必要以上に相手の悪い所やミスを攻めるゲームです。他者否定を確認したいとの思いが根本にあると言われています。
他に、はいでもゲーム、相手が相談してきたのでアドバイスをすると、でも、と必ず否定してくる会話です。相手のいう事は聞きたくないとの思いが有ると言われています。
他にも、世話焼き、あなたの為を思って、、、あなたの為と言いながら、相手を支配したいとの思いがる隠れている。と言われています。
ゲームは、これがゲームだ。と気が付くことが大切です。ゲームだと気が付けばやめる事も可能です。根本的には自己肯定/他者肯定の態度を築くことですがこれは中々簡単ではないでしょう。
他に、蓄積怒り、というのもあります。些細な事も、積み重なると、何倍にも怒りが増幅するので注意が必要です。一度、気になるとそういった目で見るようになるので欠点も見えやすくなります。
前から言おうと思ってたんだけど、、、というようなときは、必要以上に怒りが蓄積しているので注意しましょう。
また、些細な事でも、不快な事が重なると、怒りっぽくなりますよね。朝、家族と些細な事で喧嘩した。出勤の時に誰かとぶつかり不快な思いをした。なんて日に、朝一番で、不快な思いをするといつもはやり過ごせるものが、カチンとくることもあるでしょう。
心理学の投影と呼ばれる現象が有ります。自分の嫌な部分を相手の中に見た時。(相手の中に自分の嫌な部分が見えやすいといった方がいいかもしれません)に相手に対して必要以上に怒りを覚える事もあります。
特に何されたわけではないんだけどあの人の事嫌い。と思う方、もしかして、投影が起きてませんか?
良い叱り方
相手の行動を指摘し気づかせる。
仕事をする上では、肯定的に褒める。だけではやはり成り立たないですよね。叱る場合も当然必要になります。
何があった?は単純に状況を聞いているだけですが、状況を説明しながら、相手の考えがまとまり、何が悪かったが気が付き、次からこうします。と言ってくるかもしれません。そうなれば叱る必要は無いですよね。
それでも、相手が何が問題か気が付かなかったら、実際にどんな行動が何故問題だと、あなたが思っている事を伝え、考えさせましょう。指摘するのは具体的な行動です。人間は自分で考えて出した結論に対して納得しやすいと言われています。
また、しかるのは、その事実が発覚した直後に叱るのが大切です。後になれば、それだけ相手に響かなくなります。
日頃のコミュニケーションが大切
Who、Whyを承認するとは、相手を肯定的に承認し、正すべき行動を指摘する。という事です。その時だけ、取ってつけたようにほめても効果薄です。
日頃から、勇気づけのコミュニケーションをとっている事が大切です。
勇気づけについては別の記事で紹介しています。良ければ以下の記事を参照ください。
相手の言い訳をしっかり受け止める
これに関しては、失敗学実践編(日科技連出版社、浜口哲也氏・平山貴之氏)をお勧めします。以下はこの本からの引用がメインとなります。
相手が「言い訳」をしてきたら、その内容はしっかり受け止めましょう。嘘や、誤魔化しの「言い逃れ」は別にして、相手の行動の動機、原因追及に繋がります。
正しいと思って実施したミスの対策
対策は、薬を配るときはよく確認し、薬を間違えて手渡した時はすぐに薬を回収するよう、再度関係者に教育を行った
これで大丈夫か?
言い訳:なぜその行為が正しいと考えたか?
その動機的な原因は
- 「Bさんですね」って聞いたら「はい」って言ったんだもん。
- お顔をみてBさんだと思ったんだもん。
であった。
つまり、
動機的な原因は言い訳であり、だって○○だったんだもん。といったフレーズがしっくりくるかどうかが大切。この言葉がしっくりこないものは、動機的原因にならない。
否定形は結果論
動機的原因は「○○だから××した。」など、肯定的な表現であり、素直にBecauseでつながる表現にすることが大切である。失敗学実践編(日科技連出版社、浜口哲也氏・平山貴之氏)より
原因に否定形の事が原因として書かれているのは、すべて、対策を先に考え、それを反転して原因としているだけ。マニュアル、標準書が無かった。ルールが決められていなかった。不明確な指示だった。確認不足だった、等
確認不足
特に確認不足だったは良くある話です。実際にミスをした本人も、どうしてそんなことしたの?と聞かれたら、確認不足だったと思うわけです。
しかし、それは、今になって振り返ってみれば確かに「確認不足だった」と思うだけで、実際にミスをする前は、確認不足だと思っていないわけです。
何故なら、確認不足だと思えば確認しているからです。確認不足ではなく、以前も同じようなケースで同じような対応をしたから、あるいは、○○の事は××だと思ったから、等、何らかの理由があるはずです。あるいは、受けた指示を勘違いしていた、等、何らかの理由があるはずです。
その部分を、しっかり洗い出して行かないと、結局、進展しないと思います。
マニュアル 標準書が無かった
マニュアルが無かった。標準書が無かった。も良くある話です。もちろん、標準書、マニュアルは作業や業務によっては必要です。
しかし、単純にマニュアルや標準書が手順を示しているだけであれば、手順外の事が発生した場合、対応できません。その都度、新たな手順を増やしたり、確認項目が増えるだけ、といった事態になりがちです。
本人が、何故、その行動をとったのか、よく確認し、その根本対策を考える事が大切になります。
まとめ
- 叱る場合、極力すぐに、何があった?何がいけなかった?で気が付かせてください。
- 相手が気が付かない場合は、実際にどの行動が何故問題だ、とあなたか考えているか説明しましょう。
- 日頃の勇気づけで相手とのコミュニケ―ション、信頼関係を構築することも大切です。
- 相手が言い訳をしてきたらしっかり受け止め、動機的原因を追究してください。
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