一般化、上位概念化
一般化、上位概念化の例
たとえば、失敗学実践編 濱口哲也・平山貴之 日科技連で紹介されている上記の看護師さんの配薬ミスについて考えます。
参考図書:失敗学実践編、浜口哲也・平山貴之 著 日科技連出版
この看護師さんの配薬ミスを上位概念化すると、「本体とラベルを分離したらID識別が不能」というのが上位概念となります。
一般化/上位概念化の進め方(帰納法的思考)
失敗学実践編 浜口哲也・平山貴之 日科技連出版社には上位概念化という言葉を使われ、つまり、例えば、他は?で概念の上下動を行う。「対比・類似・因果」、「正・反・合」が大切。属性をはずせ、とも記載されています。
属性をはずすとは看護師さんが配薬を間違えた件については、関連事象を思い浮かべながら一般単語と入れ替えたりすれば良いだけ。とも記載されています。
また、帰納法的な考えはロジカルシンキングの本を見ると必ず出ています。So What、So WhyのSo What、結局 何?ですね。
いずれも、話としては分かるのですが分かりずらいです。私が、いつも念頭に置いていることを4個紹介します。
私が上位概念化で大切と考えている事、4選
他の事例と合わせて考える
帰納法的な考えは、個々の事例から、共通点や法則を見つけ出そうとするものですから、一つの事例だけを取り上げて考えにくいです。
言われてみれば当たり前ですが、結構、一つの事例から考えようとする人がいます。
過去のトラブルを見れば、似たようなトラブルは他にもあったなと思えるものがあるので、その事例と合わせて考えると考えやすい。これを経験というのかもしれませんが、経験が無ければ、過去の事例から疑似体験するしかありません。
機能に着目する。
あまり本に書かれていないようですが、機能に着目すると一般化しやすいと感じています。失敗学にでてきた配薬を間違えたのは、どんな機能が働かなかったので、不具合になったのでしょうか?
- いかがでしょう。少しは考え安い、出来そうと思いませんか?
言葉を上位概念化する。
特許の場合、特に言われることですが、属性をはずすだけでなく、言葉も広いものにする。特許以外でも視点が広がります。
無理やりにでも一言で言えばと考える。(実際には1センテンス)
つまり、So Whatは、言葉を変えると、一言で言えば。特許の場合もこの考え方は大切です。無理やりでも一言で言えば?と考えましょう。
社内展開、横展開を進める方法
個々の事象に落とし込むには、実際の管理基準に、作業標準に落とし込む必要があります。
ただ、そうは言ってもなかなか分かっていてもそこまで、手が回らない。また、他部署での発生例であればそもそも自分の所に情報は来ません。品質保証部などが中心となって、管理基準、作業標準に落とし込みましょう。
たとえば、本体とラベルを分離したら本体識別不能なので、分離している工程が無いか?と探すこと、あれば、対策を具体的に考え盛り込む事。対策は現場で考えないと意味がありません。
FMEAもそういった意味ではリスク評価というよりも未然防止とも考えられます。設計だけでなく、作業工程に分類し、FMEAの手法を応用することも可能です。(ただし、かなりの労力がかかりますので、あまりお勧めはしません。)
KY活動に一般化された話を活用するのも有効です。
まとめ
- 再発防止、未然防止につなげるには
- 上位概念で得られた失敗のカラクリを成功のカラクリに変え、個々の事象に落とし込む。
コメント