悪い事ばかりが頭の中を変えめぐる時は、考えるのを止めようと思っても辞められるものではありません。マイナスの感情も湧いてきて振り回されることになります。
マインドフルネスはマイナス感情に振り回されにくくなると言われています。そればかりではありません。科学的に幸せになれる脳磨き 岩崎一郎 サンマーク出版によれば、記憶力が鍛えられたり、睡眠の質が良くなったり、免疫力も向上する。不安な気持ちが少なくなる。など、良い事がたくさん紹介されています。
今回は私なりのマインドフルネスの関する見解を紹介したいと思います。
何故、悪い事ばかりが頭の中を駆け巡るのか?
「ネガティブバイアス」があるから
人間は本来、「ネガティブバイアス」が備わっていると言われています。この機能は、もともとは過酷な環境の中で人類が生き延びるために必要な物でした。しかし現代はかつてほどの危険は有りません。
残念なことに、大きな活躍の場を失ったネガティブバイアスという脳の特性はもっと身近な所で活躍する事になりました。
この機能の為、脳はネガティブな刺激の方に強く反応してしまい、いつの間にかネガティブな状態に陥ってしまうのです。(科学的に幸せになれる脳磨き 岩崎一郎 サンマーク出版より)
人間は言葉を持っているから
私たちが心の問題を抱え、とても苦しい人生を送ってしまうのは、つらい出来事に出合ったせいではなく別の所に有ります。それは私たちが心の中で誰かと比較したり、自分を低く評価したり、批判したり、過去の事を悔んだり、未来の事に不安になったりという、様々な思考をめぐらせているからなのです。
私たち人間は、誰もが言葉の力を持っているがゆえに、苦悩や苦痛を抱えている状態になり、言葉の力を使って何度もそれを思い出し追体験を繰り返すことで苦悩や苦痛にはまり込むのです。
心がふわっと軽くなるACT 刎田文記 星和書店より
上記、引用図書の中では、思考とは言語活動であり、記憶として体験を蓄積したり、自己概念を形成して行く。感情や感覚が言葉に紐づけられ、言葉を使いながら同時に感情を喚起されるといった事が起こる。としています。
私は、この考えを改めて知って今まで、モヤモヤしていたものが、非常にすっきりしたように感じています。
そう、頭の中で勝手に言葉を使って連想ゲームをしているだけなのです。
なぜ、マインドフルネスは効果的なのか?
マインドフルネスとは、今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれの無い状態で、ただ観る事。とされています。(You Tube ダイコミュ大学 公認心理士 川島達史 マインドフルネス療法より)
浅学の私がここでいろいろ紹介するよりも興味がある方は調べていただくと良いです。マインドフルネスのエクササイズとして有名な所では呼吸法とよばれる瞑想法が提唱されています。
呼吸に意識を向け、色々な思いが生じた時に、それに判断を加えずに、そういった思いがあると認識したうえで、また、意識を呼吸に集中する。というものです。
なぜ、そういった感情がある。感覚がある。と観るだけで事態が良い方向に行くのか、私は良く分かりませんでした。
マインドフルネスは思考の連鎖を断ち切る事である。
上記は、私が自分の中で理解したマインドフルネスは何故効果的か?に対する答えです。
マインドフルネスが禅の影響を受けているとの事なので、禅と生きる 生活につながる思想と知恵 20のレッスン 宇野全智 山川出版 を読んでみました。
その中に、無心に関する説明があり、これがマインドフルネスと通ずるところなのか。と個人的に思いましたので紹介します。
あるがままの空気をそのままに感じる。あるがままの音をそのままに聞く。あるがままの自分の感覚をそのままに味わう。計らいからの自分を解き放ち素直にそのまま感じる。そんな経験が無心になる価値でもあります。
禅と生きる 生活につながる思想と知恵 20のレッスン 宇野全智 山川出版 より
有るがままに感じるという、上記の記述はマインドフルネスの今、ここ、に意識を向けて気が付くことであり、呼吸法で言えば、呼吸にまた意識を戻すのはまさしく思考の連鎖を断ち切る。そのことを言っているのだと思うと、非常にしっくりきました。
結局、マインドフルネスのエクササイズは自分の現状に気が付き、自分を客観視するメタ認知能力を鍛える事に他ならないのではないか?と思っています。(思考の連鎖を断ち切る)
マインドフルネスとはメタ認知の一つと私は思っています。あるがままに感じるとは自分が感じていると感じている自分が必要です。自分の事に気が付くとは、やはり、第三者の目で自分を見ているんだと思います。
感情や感覚と言葉は紐づいていますので、感情と感覚をまずは、しっかり受け止める事が大切で、マインドフルネスの瞑想はその練習なのだろうと理解しました。
感情や感覚に着目することで言葉の連想ゲームを遮断し、思考の連鎖を断ち切るのです。
したがって、歩行瞑想だとか、レーズンエクササイズと呼ばれるように、しっかり味わって食事をするとか、感覚をしっかり味わう練習だと今は思っています。
また、実践!マインドフルネス 熊野 安昭 株式会社サンガには次のように紹介されていました。
色々なものを感じ取りながら、それをずっと続けようとすると、もう思考が動かなくなり、それ以上生まれなくなるんです。(中略)色々な物に気を配り、それを同時に感じる事によって「自分が、自分が」と言うものを作り出す思考自体が残らなくなってしまう訳です。
実践!マインドフルネス 熊野 安昭 株式会社サンガ、P092より
表現は違いますが同じことを言っているように思います。
マインドフルネスのエクササイズをすることで、言葉のマイナスの連想ゲームが遮断され、自分を客観視できるようになり、今すべきことに集中できるようになると考えています。
まとめ
- 悪い事ばかりが頭の中を駆け巡るのは「ネガティブバイアス」が備わっているのと、言葉を持っているので頭の中で勝手に連想ゲームを進めてしまうため
- 悪い連鎖を断ち切るには、感情、思考、感覚に気が付き、客観視することで連想ゲームを止める事が大切。
- 感情、思考、感覚に気が付くにはマインドフルネスで提案されているようなエクササイズが有効
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