ほめる
参考文献:NLPの基本がわかる本 山崎啓支 日本能率協会マネージメントセンターP120からP127
ほめられれば、嬉しくなり、やる気がアップにつながります。しかし、受け手がほめられたと思わなければ逆効果です。プレッシャーに感じたり、皮肉に捉えられたりする場合もあります。
何故なら、褒めるは相手ではなく、自分の価値観からほめているので、相手と価値観が違えば、相手に響かないどころか逆効果にもなります。
だから、褒めるのはダメ。という事では一切ありません。褒められて嬉しかったこと、やる気になったことも経験されているのではないでしょうか?
褒めたい時に、これは自分の価値観で、相手もその価値観を持っているか?等と考えていたら会話そのものが出来ません。
どうすれば良いのでしょうか?
自分がどう感じたかを心から伝える
自分の価値観でほめているので相手との価値観が違うと相手に響かなくなります。
私を主語にして自分がどう感じたのかを心から伝えましょう。
その際、相手が主語になるほめ方をすると嫌味?ととられるケースも出てくるので注意が必要です。
例えば、「さすが!仕事早いね。」といえば、本当にそう思ってる?と思われるかもしれませんが、「出来た。早くて助かったよ。有難う。」といえば、喜んでもらえた。と嬉しく感じるのではないでしょうか?
相手を褒めたい時は、自分も嬉しかったり、良かった、あるいは、楽しい、といった気持ちが有ると思いますので、その気持ちを表すことが大切だと思います。
出世を思わせる言葉は注意
また、うちのエース、時期○○候補、期待してるよなど、出世を思わせるのを誉め言葉として使われる方もいます。「成功回避動機」というくらい、人によっては、出世したくない。と思っている人もいるので、これは相手を選んだ方がいいでしょう。
やっぱり
”やっぱり”の言葉をつかうと、普段から、そう思っていた。という思いが伝わりやすく有効と言われています。(人は話し方が9割、久松 茂久 スバル社)
ウィンザー効果
また、直接ほめるよりも、第三者がほめていたよ、と伝える方が相手に響きやすいと言われています。例えば、部長があなたの事をほめてたよ。といった事です。
その人があなたの事を良く思っているのが分かるのと、第3者の意見という事で真実味が感じられるからだと言われています。
勇気づけ
元々、アドラー心理学の人間は対等の関係で、自分の課題と人の課題は明確にする必要が有る。なのでほめてもいけない、叱ってもいけない。生きて行く上で困難な事は一杯あるが、すべて、自分の力で、自分の責任で進んでいかなければならい。周りの人間が出来るのは、勇気づける事しかできない。との考えから来ています。
勇気づけるためには、相手を尊敬することが前提とアドラーは言っていますが、これは、他でもない、受容、共感の事と理解しています。
なので、相手の話を良く聴いた上で、相手を肯定し、持ち味と潜在力に焦点を当てる事になります。そのうえで、具体的には肯定的なFeed Back+有難うです。相手の貢献、存在を認めることに繋がります。
浅学の私が書くより、アドラー心理学の本は色々出ていますので、そちらを参考にしてください。例えば、、、嫌われる勇気/幸せになる勇気 岸見一郎、 古賀史健 ダイヤモンド社などです。
ほめると勇気づけの違い
ほめるは、自分の価値観でほめる。勇気づけは、相手の持ち味と潜在力に着目して相手を勇気づけて行く事で、以下のような違いがあると言われています。
勇気づけはどうすれば良いか?
感謝を忘れずに
日頃から、感謝の気持ちを持って、有難うと感謝することが大切になります。良く言われている事ですが、忘れてしまいがちです。
逆の見方をすると、有難うの反対は”当たり前”です。今こうして、自分が生きている事は当たり前でしょうか?あなたの部下が、毎日会社に来てくれるのは当たり前でしょうか?
そう考えると、色々な事が感謝しやすくなると思います。
成長に目を向ける。
成果をないがしろにするというわけではありません。成果よりも成長に目を向けるのです。
例えば、失敗した相手に対しては残念だったね。けど、○○が出来るようになって成長したよね。次はどうすれば良いか一緒に考えよう(成果)といった感じです。
成果に着目すると、上手く行かない場合の方が殆どです。そこで、相手の成長に目を向け、肯定的な承認を行い。相手のやる気をまず引き出すのが大切です。
成果に関しては、何故できなかった?何がダメだった?と原因追及、過去の問題に焦点を当てるのは勇気をくじくことになります。(下記、出来る事。出来た事に着目する。を参照ください。)
成果に着目させるのであれば未来です。次はどうすれば良いか考えようです。
仕事の進め方は、何がいけなかったか、検証したうえでどうするか考える事も大切ですが、次、どうするか、考えるときに自然と現状を振り返ります。その時に議論をすれば良い事で、初めから成果が出なかったことの原因を考えるのは順序が逆と思います。
出来る事。出来た事に着目する。
機会や仕事の進め方は原因を追究し直す必要が有りますが、人の場合、意識を向けた部分がクローズアップされ、認識するようになります。出来ない所を指摘するとそこに意識が向き、自己防衛や否定的な感情を誘発しやすくなります。
相手の直して欲しい所を指摘するのではなく、本当にたまにでも好ましい行動をとった時に、○○してくれて嬉しかった。助かった有難う。と伝えることが大切になります。
承認する。肯定する。
個人の持ち味と潜在力に焦点を当てて、承認、肯定することになります。何か、行動して生じた結果を承認するだけでなく、「OK!」 「そう、その調子!」 など行動そのものを承認する事も大切です。
また、相手の存在そのものも承認することが大切です。具体的にどうするかと言えば、こちらから挨拶をする、名前で呼ぶ。(ちょっといい。ではなく、○○さん、ちょっといい)です。
人は出来るようになるからやる気になる。
大きな目標は小さな目標にして、達成感を頻繁に感じることはやる気を上げるのに有効であると多くの書籍でも指摘されています。
タスクを始めた初期に「すぐにポジティブなフィードバック」を沢山すると、その効果は、後にフィードバックがなくなっても継続しやすい。
何か新しい事を始めるときには、出来るだけ早い段階で「良い点」「出来ている点」「成長している点」を探して、ポジティブなフィードバックを沢山することが「やる気」を高め、維持することになる。
「成果」よりも「成長」に目を向ける事です。それが気持ちを前向きにして「成長サイクル」を回すエネルギーを作り出すのです。
科学的に幸せになれる脳磨き 岩崎一郎 サンマーク出版、より
一方、「やる気」とは別にパフォーマンスに目を向けると、自己評価(自問自答)も必要です。その場合はFeed Backの頻度を落とし、客観的な事実をFeed Back することも大切になります。
山本五十六 名言
改めてすごい言葉だなと思います。
- やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ
- 話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
- やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。
まとめ
- ほめるよりも勇気づけ
- 人は出来るようになるからやる気になる。
- 大きな目標に対して小さな目標、身近な目標を多くして、達成感を頻繁に感じさせる。
- 相手の出来ない所ではなく、出来る事。出来た事に着目する。
コメント