初めて特許調査を行う方へ、特許の検索方法を解説します。

特許戦略構築

「J-Platpat」を使えば無償で特許を検索できます。マニュアルも次のサイトからダウンロード可能です。[INPIT]改訂版J-PlatPatマニュアル | 独立行政法人 工業所有権情報・研修館

特許分類(IPCやFI)とキーワードの組み合わせで検索のが望ましく、その理由、具体的な方法を解説します。

何を使えば特許が検索できるか?

特許情報プラットフォーム

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特許情報プラットフォーム|J-PlatPat [JPP] (inpit.go.jp)

独立行政法人、工業所有権情報・研修館が運用している右のプラットフォーム「J-PlatPat」を使うのをお勧めします。無料で使えます。

特許だけでなく意匠や商標、審査経緯、など、必要なのはすべて検索できるのでは?と思います。

民間の会社もありますが、基本有料です。確かに民間の方が便利な面はあるのですが、結局どこまで使いこなすか?特許をどれだけ多く扱うかによるところが多く基本的には「J-PlatPat」で良いと思っています。

民間のデータベースの利用

私個人の印象という事になります。「特許 データーベース 比較」で検索すると色々出て来ます。良ければ検索してください。

1.検索結果の加工、共有化、分析ツールが充実
  • 「J-PlatPat」は私が知っている限りでは、PDFで保存するか、印刷するか、CSV出力することになります。
  • 民間の場合、社内評価を入力すれば、関係者で共有出来たり、分析機能も充実していますので使い勝手は民間の方が良いです。

社内評価や共有化、分析は、別のツールで自分の好きなように実施すれば良く、その価値にいくらお金を払うか?となると思います。

2.検索機能も充実

民間では「○○を××する方法」など概念を入力すれば検索してくれるものもあります。残念ながら、私は入力の文章がまずいのか、思った特許が得られないことが多いので使っていません。

3.外国の特許検索/自動翻訳の機能も充実

外国の特許庁とつながっているところもあり、「J-PlatPat」よりも外国特許は検索しやすく充実もしています。ただ、国内特許で十分という方には関係ありません。

特許分類

先の記事で紹介した特許のヘッダーに書かれているIPCやFIと呼ばれるものです。IPCは国際特許分類と呼ばれています。FIは日本の特許庁が実施している分類です。IPCよりより細かく分類されています。

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IPCやFIの詳細は下記の特許・実用新案分類照会(PMGS)をご参照ください。階層構造になっているのが分かります。

j-platpat
IPCとFIの階層構造例

特許分類(IPC/FI)の特定方法

実際に類似特許が手元にある場合

既に自社で類似特許を出した経験がある。他社の類似特許があるなど、IPCやFIが明細書に記載されていますのでそこからIPCやFIを特定する事が可能です。

キーワードからIPC/FIを特定する

「J-PlatPat」で特許分類も調べる事が出来ます。以下、「J-PlatPat」の操作マニュアルからの抜粋です。操作マニュアルは誰でもダウンロードできます。

上記は、バッテリーと照明装置の両方のキーワードが含まれた検索結果になります。

分野、物、特徴のキーワードから特定する。

A分野においてB(物)がC(特徴)である

一般にはキーワードで絞り込むには、広い分野から具体的な物、更にその特徴、階層毎のキーワードを選択するのが好ましいです

A(分野)の部分は特許分類を使用して、キーワードは、物とその特徴から絞り込んでも良いです。

IPC/FIの階層構造と特許内容を照合し特定する。

自分の特許が、どのセクションで、どのクラスで、どのサブクラスでと、IPC/FIの階層構造に従って確認して行くという方法です。

この方法を考えても、キーワードで特定する場合は広い分野から具体的な物、その特徴と階層毎にキーワードを選択するのが好ましい事が理解いただけると思います。

具体的な特許検索のやり方

出願番号や公開番号、特許番号など分かれば、その特許を直接見ることが出来ますが、それ以外は、「特許分類」「キーワード」を使って、検索すること事になります。

キーワード

特許に記載されている単語にする必要があります。類似語で記載する必要があります。

ディスプレイ」、「ディスプレー」、「ディスプレイ用金具」を全て検索結果として表示させたい場合、目的の検索用語に共通する「ディスプレ」の後ろに「?」を付けて検索します。?は前につけても、前後につけても良いです。(「J-PlatPat」の操作マニュアルより)

なぜ「特許分類」と「キーワード」を組み合わせる必要があるか?

上記のように一長一短があるので、特許分類とキーワードを組み合わせて使うのが良い。

検索式

and(絞り込み)*、or(足し算)スペース、not(除外)この3種類を組み合わせて検索します。

検索時の注意点
  • not(除外)はそのキーワードが記載されていれば、すべて除外になるので使わない方が良いと言われています。
  • 検索結果で、こちらが必要とされている特許が選ばれているか確認し、検索式(組み合わせ)の見直しを行います。

以下は「J-PlatPat」の検索画面ですが、検索式を入れなくても組み合わせて検索可能です。

検索結果の検証

出てきた特許は、知りたいと思っていた特許が検索にかかっているか漏れているか?を確認します。自社の特許であれば似たような特許が有るので、その特許を基準に確認すると良いと思います。

まとめ

  • 特許検索は「J-PlatPat」が無料で使え、機能的にも十分。
  • 特許検索は「キーワード」と「特許分類(IPC/FI)」を組み合わせて使うのが良い。
  • 特許分類を特定するには、類似特許から調べるか、キーワードから調べるか、特許分類の階層構造に当てはめて調べる方法が有る。
  • キーワードから特許分類を特定する場合は、広い分野から具体的な物、その特徴へと各階層毎のキーワードを選択するのが好ましい。
  • 検索結果を確認しながらキーワード、特許分類を調整しながら調整を行う。

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