設計・開発情報の共有化で大切な事。5選

デザインレビュー

設計/開発において、技術情報は大切な商売道具ですので、いつでも使える状態にしておく事は非常に大切です。

個人で使う分には頭に入っている事も多いので問題ない?ですが、情報は関係者で閲覧できるようになって初めて有効になります。

その為に大切なことを、私の失敗談を中心に紹介したいと思います。

技術情報の整理

技術情報は、設計者、開発者の大切な商売道具です。いつでも使えるように手入れをして、使える状態にしておく事が非常に大切です。

開発にはスピードが要求されますが、その為には特に、調査、予察試験では過去の情報が使えるように整理されている事が非常に大切です。

例えば、過去の不具合例の対策が反映されていなかった。あるいは、過去の開発事例を参考にできず、同じような実験をし、同じような結果になる。等は絶対に避けなければなりません。

過去の流用が出来る出来ないの判断一つにしても、情報の整理が大切になります。

設計/開発に必要な情報

設計仕様、開発目標を達成するために使う情報として以下のようなものがあります。

  1. 過去の不具合情報
  2. 自社設計の類似技術/関連図面
  3. 共通の設計技術の蓄積(シミュレーション技術/データーベース/各種データベース)

 私は担当者一人で梱包容器の設計を始めましたので、特にフォーマット化しなくても頭に入っていたのでそれなりに対応できていました。

 その対応に限界があると思い知らされたのは、メンバーが増え、リーダーとなった時に、過去の情報が整理されていなかったのでメンバーとの情報共有に非常に時間がかかりました。自分もいつ転勤になるかわからない。自分がいなくなっても困らないようにと思い始めました。

 当初は時間を見ながら作業を進めても3か月ぐらいで何とからるだろうと思っていましたが、実際には機能せず、曲がりなりにも機能するようになるのに1年以上かかりました。

情報整理のために大切な事

共通認識、用語の統一を図る。

 情報を整理するのは、数カ月で出来ましたが、実際には誰にも使ってもらえず、役に立ちませんでした。人が検索するときにイメージと違う単語や資料が出てくるとそこで止まってしまい、結局使わなくなってしまいます。

 例えばボルトとネジの違い、部品図/組み立て図、等、私は分かっているではなく、設計メンバーの共通認識を明確にする事。また、検索を想定して用語の統一を計る。たとえば箱、BOX、ケースは箱にする等です。

地道な作業ですが、非常に大切な作業になります。

分類は最低限に

 必須記載項目は、共通認識、共通語である必要があるので、必要最低限な方が良いです。

「過去の不具合情報」についても当初は色々細かく分類しましたが、対象機種日付発生工程お客様の4種類のみとして運用することで特に問題なく運用出来ました。不具合内容はタイトルを見れば想像が出来ます。必要なら中身を見ます。新たな不具合が発生すると分類できなくなります。あえて分類するのはやめました。

 該当件数や商品などによりまちまちです。図面のように、一つの機種で数100枚にもなるようなものは、ある程度、細かく分類する必要はあると思いますが、それでも、共通認識を計ることは前提となります。極力少なくす事は大切だと思います。

また、分類で、その他、を作るとその時点で終了です。ありがちなのは、何か新しい物が発生した際に、どの分類にするか判断がつかないため、その他に入れがちで、結局、何が何だか分からなくなってしまいます。

コード化できるものはコード化する。

 新しい物が出ると、統一用語を都度考えなければなりません。アルファベットと数字で記号化できるものは、ルールを決めておけば、新しい物が出てきても、議論は不要でリストに追加すれば済みます。

 ありがちなのが、コードを見ると、何を表しているのか意味付けをしたくなりますが、新しい物が出てきた時点でコード化出来なければ、その時点で終了です。

 分類同様、意味づけは、必要最低限とし、新しい物が出てきても対応できるような最低限のコード体系にしておく事が必要です。

 コード化しておくと一見して分かりにくいですが、共通認識は得られます。分かりずらければ機種番号:AZ178のように並記するといいかと思います。

管理(共有化)する物、しない物を決める

 管理が必要なのは、共有化が必要なものと、個人で管理すれば良いものとはしっかり議論をして決めておくことが大切です。

 管理が必要なものは、フォーマットも標準化し、関係者に使わせることも大切になります。使いずらい部分は修正しながらでも使い続けないとそこで止まってしまいます。個人で管理すれば良い物は、それこそ個人任せで良いと思います

標準化したら使い続けながら改善して行く

実際に決めたら、メンバーには使ってもらう必要がります。使いながら改善して行かないと定着しません。一時的には能率が下がり、不満も出るかもしれませんが、開発と違って、必ず効果が得られます。信じて進むことが大切だと思います。

 まとめ

技術情報の整理で大切な事 5選
  1. 用語を統一し共通認識を得る。
  2. 分類は必要最低限とし、「その他」は作らない。
  3. コード化出来るものはコード化する。
  4. 管理する者、管理しない物を明確に決める
  5. 仕組みを整えたら使いながら改善して行く事が大切。

コメント

タイトルとURLをコピーしました