作業標準や業務マニュアルの必要性は多くの人が感じている事であり、私が改めてコメントするまでもないと思います。
しかしながら、作業標準書を非常に軽んじている職場が多いと感じています。
そんな現場あるの?と思われるかもしれませんが結構あります。
こうやって書くと、皆さんちゃんとやろうよ。と思われるかもしれませんが、実際には日々の多くの問題や業務の中で、標準書やマニュアルを整備するのは、時間や労力を取られるものです。
今回の記事では、私が大切と感じている事を紹介したいと思います。
ポイント1、現状比較
重要プロセス
標準書は作成するのが目的はパフォーマンスの高い(時間/品質/歩留まり)作業を誰でも出来るようにする。と言えるのではないでしょうか?
それであれば、そもそもパフォーマンスの高い人の作業方法を標準化する必要が有ります。
しかし、ハイパホーマーの方が作業標準書を作成すると、普段自分が作業している内容を思い出して文章にしてしまう事が多く、なかなか、他の人に浸透しにくい所があると思っています。
実際に、パフォーマンスの高い方の作業方法と、そうではない方との作業方法をビデオなどで、作業分析、行動分析、時間分析を行い、何故、パフォーマンスに差があるのか見える化する事がする事が大切だと思っています。
また、パフォーマンスの高い方にそのとき何を考えて、何を注意して作業していたか、良くヒヤリングする事も大切です。
業務マニュアルを作るのであれば、作業レベルまで分解し、やはり、何が違うのか明確にする必要があるでしょう。
そうする事で、パフ―マンスの低い方も、違いが一目瞭然なので納得感が増します。
自分の作業の何処が問題なのか、なぜ、標準作業の方が優れているのか、ポイントが分かれば浸透しやすくなります。
頻度の少ない、個人作業のプロセス
まずは作業分析が必要と書きましたが、すべての業務に必要は無いでしょう。その辺りのメリハリは必要と思います。
しかし、作業する人が固定されている、あるいは、極まれにしか作業しないような作業は、そもそも、作業分析は必要ないでしょうし、標準化も必ずしも必要ないかもしれません。
ポイント2、日々の作業での運用
標準書といった形にしたり、ビデオにすると、実際に作業する際には確認できません。実際に、作業するような場合は、ポイントとなる作業を写真などに盛り込んで、その場で確認できるようにしておく事が大切だと思います。
写真での大切なポイントが作業中も見えるようにする。
ビデオにしても標準書にしてもわざわざ見に行けなければ確認できない物は実際に作業している時には見に行きません。見に行くだけ時間の無駄です。
本当に大切な所は実作業の際に注意喚起を目的として、写真に管理項目を入れ込んだ資料を作り、現場の見えるところに掲示する方法が私はお勧めです。
チェックシートの活用
本当に大切な所はチェックシートでポイントを確認してもらうのも注意喚起になると思いますが、作業者の負荷になったり、形骸化する可能性は有ります。
ポイント3、改善活動での活用
作業標準書は作成したらメンバーはその方法を守る必要があるので「管理の問題」となります。
管理の問題は、現場のスタッフの問題です。現場のメンバーに如何に実際に使ってもらえるか考えるのはスタッフの仕事です。
しかし、改善活動の主役は現場のメンバーになります。現場のスタッフが主役になってはいけません。現場のスタッフが主役になっている限り、改善活動は根づきません。
現場のメンバーが主体的に改善活動に取り組めるように考えるのはスタッフの仕事です。
以上は、IE問題の基礎 川瀬 武志 日刊工業新聞社からの引用です。まさしくその通りだと私は考えています。
本来、毎日作業している現場のメンバーが、標準書に記載されている方法よりも、より良い方法を考え現場主体で進めるのが改善活動です。スタッフが主体になってはいけません。
また、現場が行う改善活動は現場の改善ですので、標準書に記載されている方法より、より良い方法は無いか?を考えるのが改善活動の本流と考えます。
そうする事で、必然的に標準書のメンテナンスは自然に出来るのではないでしょうか?
その辺りを記事にしていますので良ければ参照して下さい。
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