人間関係の心理療法、交流分析についてわかりやすく解説します。

心理カウンセリング

 今回は人間関係で悩まれている方向けに良く使われる心理療法、交流分析と呼ばれる方法を紹介します。

自分に問いかけることで、悪い癖が分かり、来た球をそのまま相手に投げ返す、素直なコミュニケーションが出来るようになります。

自我状態

 人とコミュニケーションをとる時の自分の状態で出来事や相手によって無意識に使い分けられていると言われています。

 自分の状態は5つの自我状態があると言われています。

無意識に相手や出来事に対して自我は変わるので、人間関係でトラブルになる場面で出てくる自我状態は?と問いかけると、自分の悪い癖が分かります。癖が分かれば、会話を気を付けるようになります。

 どう気を付ければ良いのか?等、以下に紹介していきます。

交流パターン

相補的交流 ~スムーズな交流~

相手の投げかけ(ストローク)は投げかけた場所(自我状態)に戻すということです。

 具体的に言えば、「何時に帰るの?」とAの状態で聞かれているのに、「どうして時間を気にするの?」とPの状態で返してはいけない。「9時に帰るよ」とそもまま返せばよい。会話が成立した後で気になるのなら、「何かある?」と新たな会話を始めればよい。

交叉的交流 ~行き違い、ちぐはぐな交流~

上記のようにクロスすると良くないと言われています。話がかみ合っていないというやつですね。

裏面的交流 ~裏に本心が隠れた交流~

 本音と建て前、思っている事と言っている事が違う。言葉に出さない部分に本音が隠れている。なぜ、本音を言わないのか?となると言いたくない理由があるからで、そこを相手側は汲み取る必要があり、非常に厄介で複雑になります。この後出てくるゲームも裏面的交流です。

 言いたくない理由は、寂しいとか、悲しい、とか、納得できない、やっかみとか、気に入られたい、弱みを見せたくない、等、色々あると思います。相手だけでなく、自分でも理由が良く分からない時がありますよね。

 汲み取るのは非言語的コミュニケーションつまり、表情だったり、行動だったり、声のトーンだったり、そういった物から汲み取るしかないので日頃から、そういった事に注意して行くしかなさそうです。

豊かな投げかけ(ストローク)

 次の4点が大切と言われています。

  • 与える
  • 謙遜しない
  • 我慢しない
  • はっきり断る

 与えるは自分が出来ることをする。謙遜しないは人から与えられたものを素直に受け取る。ということです。分かりやすいですよね。

 我慢しない、はっきり断るは自分の中で境界線や限度をしっかり持ち、それを超えた時には我慢しないで、はっきり断るのが良いとされています。

 ストロークは人間には不可欠なもので、ストロークがなくなると傷つけあうマイナスのストロークでも欲しくなり悪循環に陥る。無視するのが一番ダメということですね。

自己肯定/他者肯定の考えを身につけるには?

 対人関係の考え方には、人生態度と呼ばれ、以下の4パターンがあると言われています。

  1. 自己肯定/他者肯定
  2. 自己否定/他者肯定
  3. 自己肯定/他者否定
  4. 自己否定/他者否定

 また、面白いことに、人生態度は3歳から7歳くらいに出来上がると言われています。

 人生態度が②から④なので、自我状態の悪い癖が出てくる。①を目指しましょう。といった話です。そうは言われても、といった感じがしますよね。以下のように考えるのが効果的と言われています。

自己肯定/他者肯定の考えを身につけるには?
  1. お互いの存在や価値観を承認しあえる幸せな関係の人との時間を増やす。(時間の構造化)
  2. 自分が作り上げた脚本に過ぎないと考える(人生脚本、禁止令、ドライバー)

時間の構造化を考える

人は幸せな時間ばかりでなく、以下の時間を過ごしていると言われています。

  • 他者とのかかわりを持たない引きこもり
  • 時間や軽い表面的な会話の暇つぶし
  • 自己紹介や挨拶など、社交的なやりとりを行う儀式
  • 目標達成に向けてどう動くかを話あう。成果のためにエネルギーを傾ける活動
  • 相手を思い通りに操作しようとする不快感を生じさせる「対話」のゲーム

 幸せな時間以外の会話に偏りが見られる場合は自分が今、自分の理想とする時間の使い方との差を認識し、具体的にどうしたら良いか考えるといいと言われています。

人生脚本を書き換える。(禁止令、ドライバー)

 人生態度は3歳から7歳くらいに出来上がると書きましたが、その頃、周りから、「○○するな」(禁止令)「○○しなさい」(ドライバー)と言われた事が、大きく影響し、自己肯定/他者肯定を阻害する原因になっている。

 本当かな?という気がしますが、自分では気が付かないと言われればそうなのかと思わざるを得ません。

 大切なのは、自己肯定/他者肯定の考えを阻害している要因(禁止令/ドライバー)は、自分が作り上げた脚本に過ぎない。

なので、過去の自分と向き合って、癒し、慰めてあげる。そして許してあげる。

 子供の時にそのように捉えてしまった。子供であれば仕方なかったとしても、大人になった自分なら違った見方、解決が考えられる。と考え、まず許し、その上で将来どうしたいのかに目を向けるということです。

 つまり、そのように考えるようになったのはいつ頃からか?どうしてそう考えるようになったのか?今の自分なら、当時の自分になんと言葉をかけるか?何が出来るか?等問いかけるのが有効と言われています。

アダルトチルドレンと呼ばれているように、子供の頃、虐待を受けていたとか、機能不全の過程で育ったような方には、大人になった今でも受け入れられない、大きなトラウマになっている方も多いと思います。

プロのカウンセラーの方の力も借りて、ゆっくりと向き合う事が大切になると思います。

まとめ

トラブルにならない素直なコミュニケーションを図るには?
  1. 自我状態を理解し、トラブルになる際の自我状態はどういった物が多いか把握する。
  2. 会話は相手が投げかけてきた自我状態に返す相補的交流を行い、話を一度完結させる。
  3. その後で、自分の方から相手に投げかける。
  4. 自分も他者もOKと思えるよう努める。(時間の構造化、人生脚本)

自己肯定感を高めるには日常生活の中で自分の良い所、出来たところを書きだすのも良い方法だと言われています。寝る前に、良かったことを三つ書きましょう。というのも比較的有名ですよね。

 また、小さなことでも自分を誉め続けて行くことは自己肯定感を上げるのに良いと言われています。意識的に肯定的な問いかけを自分にすることで、脳にそう思わせるという事になります。

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