ネガティブな考えにも重要な役割があります。十分味わいましょう。ポジティブに変えるには、ネガティブな考えを自分で検証してみましょう。少なくともネガティブから抜け出している自分が発見できると思います。
ネガティブ思考にはどう向き合へば良いか?
心理学系の本を読んでも、圧倒的に多いのは、否定的な考えを改め、肯定的な考えをしてきましょうといった主張です。
でも、あまりポジティブ思考を全面に出されると、違和感を感じるのは私だけでしょうか?
確かに、否定的な考えはブレーキの役割、肯定的な考えはアクセルのようなイメージでとらえると、何かをどんどん進めるような時にはブレーキは邪魔になるでしょう。アクセルを思いっきり踏んだほうが良いですよね。
でも、やはり、生きて行くうえで、ブレーキを踏むことが必要な場合もありますよね。
そんな思いでいたところ、「科学的に幸せになれる脳磨き」脳科学者・医学博士 岩崎一郎氏、サンマーク出版といった本に出合い、なるほど、と思いましたので紹介いたします。
誤解が無いよう、この本は圧倒的に肯定的な考えを推奨した本です。最新の研究論文も含めて、科学的な根拠に基づいて記載した本とのことで、前向きに生きることを推奨しています。
さて、その本には否定的な考えにも大切な役割があると記載されており、以下の4点があげられています。
ネガティブ思考の大切な役割
ではネガティブ思考にはどう対処すればよいのか?については以下のように記載されています。
ネガティブ思考にどう対処すればよいか?
ネガティブな感情にも、意味がありまます。その意味をしっかり受け止め、ネガティブなものの中にポジティブな面を見つける、あるいはネガティブなものをポジティブなものに転換していくなどしてネガティブな感情を上手く利用すると、より幸せで豊かな人生を歩むことが出来るのです。
「科学的に幸せになれる脳磨き」脳科学者・医学博士 岩崎一郎氏、サンマーク出版
とありますが、わかりにくいですよね。私なりに理解したのは以下の通りです。
ネガティブ思考にどう対処すればよいか?私なりの考え
ネガティブな感情をしっかり受け止め、十分吟味した後、先に進むためにどう対処していくかポジティブな考えに変換して行くということです。
ブレーキ(ネガティブ)を踏む時には、ブレーキを踏んで、減速、あるいはいったん止まって(受け止め)発進するためにアクセルを踏む。(ポジティブシンキング)、ブレーキを踏みながらアクセルを踏むと、車(本人)に無理がかかって一番良くない。といったイメージでとらえています。いかがでしょう?
考えたら、気持ちの整理をつける、とか、悲しいときにはとことん泣いた方が良い。とか、受け止めが大切というのは普通の感覚からしても分かりやすいですよね。感じきるといった表現をされる方もいらっしゃいます。
ネガティブなものをポジティブに変換するにはまさしくこの後説明するリフレームの考えが大切です。ただし、無理は禁物です。無理やりそう考えようと思うと思えない自分に落ち込みます。
なのでまずはしっかり受け止める事が大切なのです。
感情の再吟味を行う。感情は自分で選べる。というのは、その人の持っている価値観によって、同じ事実に対いして抱く感情が違ってくる。感情は自分の意識しないところで生じてくるが、結局自分が選んでいるという事です。
これを無理やり変えようとすると文字通り無理が生じるので、自分自身の感情、思考をマッサージしてあげる事が大切になります。こう思わないとダメ!!ではなく、こんな風に考えられないか?とふんわりと思う事が大切です。
具体的にどうして行けばよいのか記載して行きます。
肯定的な考えを強化する方法
ABC理論
先に紹介したABC理論です。考え方によって結果(感情や行動)が変わってくる。ネガティブな考えは、他人や過去の出来事のせいではない。良い事を無視して、何でも悪い方向に考えていないか?根拠があるか?どういった得があるのか?を考えてみましょうというものです。
リフレーミング
NLP関係の本には必ず出ていますが、考え方(認知)をフレームと呼び、そのフレームを変えること、否定的な考えを肯定的な考えに変更することで感情も行動も良い方向に行くというものです。(例えば、NLPの基本がわかる本 山崎啓支、日本能率協会マネージメントセンター)
有名な所では、コップに水が半分しか入っていないのを、もう半分しかない。と思うか半分もあると思うか。
リフレーミングとは【カイゼン用語】|カイゼンベース (kaizen-base.com)からわかりやすい図を引用します。
眼鏡を掛けなおす。といった表現をされているものも良くあります。
自己肯定感を上げる。
先に紹介した交流分析で自分もOK、他社もOKと思えるようにするにはどうするか?時間の構造化と人生脚本の書き換えが必要だと紹介しました。
他に、日常生活の中で自分の良い所、出来たところを書きだすのも良い方法だと言われています。寝る前に、良かったことを三つ書きましょう。というのも比較的有名ですよね。
また、小さなことでも自分を誉め続けて行くことは自己肯定感を上げるのに良いと言われています。意識的に肯定的な問いかけを自分にすることで、脳にそう思わせるという事になります。
未来に目を向け、エンジン(ポジティブ思考)を強力にする。
過去にとらわれず、未来のなりたい自分を明確にし、自分の中に強力なエンジンが積めるようになると、少々の否定的な考え(ブレーキ)は効かなくなります。
悩みは前進し新しい自分になるために必要な事。
私の好きな河合隼雄さんの言葉を紹介します。
悩みとか苦しみというのはそれに本気で向き合わないといつまでもそこから抜け出せない、というところが有ります。正面から取り組む、というのかな。「あいつが悪い」と誰かのせいにしておく限り、自分はその問題に正面から向き合わなくていいわけですからね。「あいつが悪い」方式でバーと怒ってしまうというのは、努力せずに100万円拾いたいという発想に近い。問題を自分の物としてみると、糸口は色々見えてくるんです。
悩んでいる時は全部がままにならない、八方ふさがりに見えます。実際に、もつれた糸を扱うのと同じでね。もつれた糸をほどこうとする時、いらついてその中から一本だけ引っ張り出そうとする人、いるでしょう?それをやると、ますますもつれて糸全部が使い物にならなくなる事が多い。
ふわーふわ―とやっているのがもどかしいようでも結局一番の解決方法だったりします。不思議な事にふわーふわーとやっていると、ほどけるときにパラパラっと一気にほどけるんですね。不思議なくらい。
こころの天気図、河合隼雄、PHP研究所 より
ねたみ、嫉み、復讐心などの他人に向くネガティブな感情は結局自分に向き合えていないので、解決の糸口にならない。
同じネガティブな感情でも悔しい、悲しい、心配、憤慨、など、自分に向き合う感情を感じる事が大切になる。
その事を問題は自分の物としてみると糸口は色々見えてくる。と表現されているんだと思います。
一本だけ引っ張り出そうとするのは、無理やり考えを変えようとすることです。十分、否定的な感情も受け入れることが大切ですよ。という事を言っているのだと思います。
苦悩していると、ふと心が軽くなる瞬間が訪れます。一度心が軽くなる瞬間が訪れると大丈夫と思えます。悩んでいた自分がばかばかしく思え、悩んでいる場合じゃない。もっと他にすべきことが有るだろうと思い始める訳です。
そうやって新しい自分、成長した自分に出会えるのではないでしょうか?少なくとも私はそう思っています。
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