ソルーション・フォーカスト・アプローチとは相手の長所や能力に着目し、勇気づけながら相手の困っている事に向かい合っていく心理療法です。
そもそも、問題解決へのモチベーションが高くないと向かない心理療法で、カウンセリングというよりはコーチングで広く使われている手法です。
組織改善、人材開発関連の書籍を読むと、このソルーション・フォーカストの考えが広く影響している事が分かりまます。部下の教育や指導にも応用できる手法ですのでお勧めです。
以下、説明して行きます。
目標設定(Well Formed Goal)
人は指摘されたところに意識が向く。
機械が故障したのであれば、その原因を明確にして修理をする必要が有ります。しかし、人間は上手く行っていない原因を探っていくと感情的な自己防衛や自己否定につながりやすくなります。
したがって、原因を追究するのではなく、問題が解決できた肯定的な未来をまず描くことが大切になります。
目標は本人にとって重要だと思える事が大切であなたの考えは必要ありません。
本人の希望を積極的に理解しようとして聞き、勇気づける事で本人の自尊心を高めて問題解決に向けての意欲が高めて行きます。
オープン・クエッション
相手が自由に話が出来るオープンクエッションを行い、その回答の中から長所や持っている力を見つけ出していくことになります。
ミラクル・クエッション もしも奇跡が起きたら?
目標設定を導き出すのに役立つ質問です。
- もしも、奇跡が起きて、今の問題が解決されたら今とどんなふうに変わっているか?
- 問題が解決したことを、どうしてあなたは知ることになると思いますか?
- 問題が解決すると、どんなところが変わりますか?
- 問題が解決すると、あなたの何が変わりますか?
- 問題が解決すると、周りはどう変わりますか?
問題解決の糸口を見つける
目標設定が終了したら問題解決の糸口を見つける必要が有ります。
対処法、例外に着目する
例外に着目する。と言われると?と思われるかもしれません。例外に着目して何になるの?と思われたでしょう。
違います。ココでの例外とはそんなネガティブな話ではありません。
問題や課題に直面している中で、いつもなら問題が生じる場面であったのに、問題が起きなかった、あるいは問題が軽かったという場面は何か?という事を確認する事になります。
- (例外の状況が)生じた時の状況を詳しく教えてください。
- そんなことが起きたのは初めてですか?
- どうしてその時はいつもと違う事をしようとしたのでしょうか?
- なぜ、そうしようと思ったのですか?
上記のような対処法に関する質問(コーピング・クエッション)を通して例外の状況を把握して行く事になります。
また、問題に目を向けるだけでなく、苦しい中にも良い事が起きている事。出来ている事に着目することで将来に希望が持てるようになります。
点数付け、スケーリング・クエッション
状況を10点満点で自己評価してもらいます。そうすることで状況を客観視することが出来ます。
問題が解決した自分(目標を達成した自分)を10点としたら、今の貴方は何点?と質問することによって今の状況を客観的に考えられます。
仮に、10点中3点との回答であれば、3点と点数をつけたのはどうしてか?3点分出来ていると思う事は?逆に7点分、足りないと思う事は?と質問することでより状態を把握することが出来ます。
すぐに出来る事に注目し行動する
リソース(出来る事)を見直す
対処法、例外の見直しを通じて、自信がついてくると、自分がすぐに出来る事は何か?が見えてきます。
解決の方向に向けて既にできていることや、解決に至るために役立つもので既に手にいれているもの。似たような状況での過去の成功体験のように意識の中にある無形のもの、解決に向かって活用できるヒト・モノ・お金等です。
スモールステップを設定し実行する
解決に向けてすぐにとれる行動。小さくても実行可能な行動を定めて、まずは実行する。実行したら、どこまで進んだかについては、スケーリング・クエッションで進捗具合を確認して行く事になります。
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