私はネガティブ思考をポジティブ思考に変えて行くにはどうすれば良いか?という事を紹介して来ました。
ネガティブな感情を抑えつけて、ポジティブな感情ばかりがあるように振る舞うのが一番良くない。ネガティブ思考を変えて行くには、そのネガティブな感情の意味するところを良く味わって、自分の認知、考え方、に向き合い、その認知をゆっくり、マッサージをするようなイメージで検証して行く事が大切ですとお話しました。
良ければ、以下の記事を参照してください。
ネガティブ思考に陥るシナリオ、ポジティブ思考のシナリオである「ミニ脚本」の考え方が分かりやすいと感じています。
出発点の違いであるドライバーとアロワーの違いが明確であり、自分の思考をネガティブからポジティブ回路を変える際に具体的に考えやすいと思い、皆さんに紹介することにしました。
結論を言えば、以下のようなことが言えると思っています。
この後に出てくる人生態度や人生脚本、自我状態は交流分析の理解が必要になります。良ければ以下の記事を参照ください。
人生脚本
人は自己肯定/他者肯定の考え方でいられると幸せなのですが、実際には自分を肯定できなかったり、他者を肯定できずに悩むことになります。
このような、人に接する時の考え、態度を人生態度と呼びますが、幼少期の親や親代わり(例えば先生)の影響で身につけて行くと言われています。
幼少期に周りの大人からその頃、「○○するな」(禁止令)「○○しなさい」(ドライバー)と言われた事が大きく影響し、自己肯定/他者肯定を阻害する原因になっています。
本当かな?という気がしますが、自分では気が付かないと言われればそうなのかと思わざるを得ません。
大切なのは、自己肯定/他者肯定の考えを阻害している要因(禁止令/ドライバー)は、自分が作り上げた脚本に過ぎない。
という事です。
自己否定の態度の人は結局自己否定に陥るようなシナリオ(脚本)をドライバーと禁止令を使って自分で組み立ててしまう。それが Not OKの脚本です。
Not OKのミニ脚本
どうせ私なんて、やっても無駄、そういった私はダメ(I am not OK)の考えが、どうやって生まれてくるのかを説明したのが上の図になります。
ドライバー/禁止令
最初にくるのがドライバーです。
幼少の頃に確立してしまった、『こうあるべき』といった考えになります。例えば、仕事などでも完全であれ、急げ、喜ばせろ、努力しろ、など、色々なドライバーが働きますよね。
ただ、仕事などで「完全であれ」の思いが強くても実際に完全にこなせれば自信になるでしょうが、たいていは完全でない自分に直面する事になり、自分はダメだの自己否定に陥ります。
そうすると、自分の心の中に実行するな、楽しむな、といった禁止令が発動されることになります。
禁止令は他にも色々ありますので良ければ検索してください。
ドライバーは自分でも意識できますし、まじめだ、積極的だなどと周りからも言われると、ついつい無理をして頑張ってしまう。しかし、禁止令は自分では気が付きにくいと言われています。
C(子供)の反撃
一旦、自己否定の状態になると、これに耐えられず、悶々と悩みだす訳です。そうすると、子供の自我状態が強くなり、「なんで私ばっかり、、、」「○○が悪い。私は本当は出来る。」と他の物のせいにしたくなります。
そうすることで、心が瞬間的には軽くなるのですが、実際には何にも変わらないので、結局、禁止令の状態にもどってしまい「自己否定/他者否定」の態度が強化されてしまいます。
- Cの反撃は第3者から見れば本人の悩みの形で表れて来ます。
- しかし、本当の問題はCの反撃ではありません。
- ドライバーから発動される禁止令の流れを変える事が大切になります。
結末感情
「禁止令の状態」と「Cの反撃」の状態を繰り返すわけですが、結局は、自己否定/他者否定の態度からくる、嫌なネガティブな感情を感じる事になり、不幸な結末で終わるシナリオになります。
ドライバーとそれに伴う禁止令とを使って不幸になるシナリオを自ら作っているとも言えます。
参考資料:YouTube KokoroCafé.jpチャンネル 第29回 交流分析 ミニ脚本
OKになるミニ脚本
アロワー/進行
アロワーは許すという事です。あなたはOKだよ。ありのままで良いんだよ。と自分を許せるようになると、やる気が出てきて自分でどんどん物事を進めるようになります。
肯定的なFC/結末感情
状態が良いように回ってくると、達成感が得られ、自己肯定/他者肯定の状態になり、また、自分を許せるような好循環になります。
参考資料:YouTube KokoroCafé.jpチャンネル 第30回 交流分析 ミニ脚本
ドライバーをアロワーに変えるには?
ドライバーは有ってはダメなのか?
○○しなければ!といったドライバーは私は必要だと思っています。
ドライバーが発動しても、実際に自分で実施でき、進んでいければ、達成感が得られ、自己肯定/他者肯定のOKのシナリオになるのではないでしょうか?
問題なのはそれに伴う禁止令が発動され、悩みで動けなくなり自己否定になるのが良くないのです。
大切なのは、思うようにならない現実の自分を許す事だと思っています。
そうやって、動けない自分を許し、理想の自分につながる階段を着実に上る勇気、やる気、自信、を得ることが大切になります。概念的に下のイラストで示してみました。
具体的にどうして行けばよいのか以下考えて行きます。
小さな目標を沢山作り成功体験を増やす
理想の自分が高すぎる。目標が高すぎる。とも言えます。高い目標を実現するためには、そこにつながる自分で出来る、達成できる。と思える目標を数多く達成して行く。そのことでやる気、自信も湧いてきて好循環になって行きます。
心理学では学習性無力感と言われています。自分はダメだ、出来ない。という事を学習してしまうのです。つまり、成功体験を多く積んで、出来るという事を学習することが大切になる。という事です。
一般的に「やる気かあるから→出来るようになる」と考えられています。しかし、脳科学的には実は逆で、人は「出来るようになるから→やる気になる」のです。そして、出来た事を続けるから、上手くできるようになり、更にやる気が起こるのです。
科学的に幸せになれる脳磨き 岩崎一郎 サンマーク出版より
勇気づけ
勇気づけは、自分が人生の荒波に立ち向かっていくのに勇気を与えてくれる行為です。
自分を勇気づける
自分で自分を許すには、やはり自分が「成長出来た事」「出来るようになった事」をしっかり認識することが大切になります。
人に優しく、の基本は自分に優しくだと思っています。自分に優しくなれない人は人にも優しくなれないと思います。
寝る前に、良かったこと、成長出来た事、出来るようになったこと。を三つ書き残すのが良いとも言われています。
人を勇気づける
♦感謝を忘れずに
感謝は、有難い。と思う感情です。感謝の反対語は当たり前です。
ある意味、あなたが、この世にいること自体さえ当たり前ではありません。仏教に一期一会といった言葉もあります。
そう考えると、何に対しても有難いと思えるのではないでしょうか?
感謝することを習慣づけていると「感謝の脳回路」が鍛えられて、あらゆることに感謝が出来るようになるという事を脳科学研究が教えてくれています。そして「常に感謝の気持ちを持つ」ようになれる。それは脳を活性化し、私たちにさまざまなメリットをもたらしてくれるのです。
科学的に幸せになれる脳磨き 岩崎一郎 サンマーク出版より
♦結果承認
褒めると同じところもありますが、褒める場合、相手と価値観が違うと嫌味?ととられる場合が有ります。
人を褒めるのであれば、自分、私を主語にして、いかに、自分が喜んでいるか、嬉しいかを伝えるのが良いと思います。
♦行動承認
まさしく、相手の「成長」「出来る事」に着目し、肯定的な言葉で承認(Feed Back)することです。
♦存在承認
存在を認めて、ちゃんと言葉かけや挨拶をする。名前でちゃんと呼ぶなどです。
まとめ
- ドライバーと禁止令からくる人生脚本は、思い悩み行動できなくなり自己否定/他者否定の不幸な結末で終わる脚本となる。
- 自己否定の自分に苦しみ、他に原因を求めるが、現実は変わらないので結局不幸な結末を変える事は出来ない。
- Not OKの脚本を変えるには、最初のドライバーをアロワーに変えて、やる気を引き出すことが大切になる。
- ドライバーをアロワーに変えるには、小さな目標を沢山作り、成功体験を増やすことと、勇気づけを行う事が大切になる。
- 自分を勇気づけるには、自分の「成長出来た事」「出来るようになった事」をしっかり認識し、自分で自分を褒めましょう。
- 人を勇気づけるには感謝の気持ちを忘れずに相手の「成長」「出来る事」に着目し肯定的な言葉で承認する事が大切になる。
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