価値観や考え方は人それぞれ、十人十色、相手との関係を構築するには相手の価値観や考え方を理解し、それにふさわしいコミュニケーションを考える事が大切になります。
マズローの欲求5段階説
生理的要求、安全要求は最低限必要です。生命を維持するのに必要な欲求であり、まずは、これを満たす必要があるのは分かりやすいです。
一方、人間は社会的な動物ですので、それだけでは満足できません。社会的な欲求があり、それが満たされると尊厳欲求という高次の欲求が出てくるというものです。
参考図書:スタンフォードの心理学講座 人生がうまく行くシンプルなルール、ケリー・マクゴニカル、日経BP社
やる気がないとはどういった状態か?
やる気がないと言われているのは、すべての人が持っている社会的な欲求やそれよりも高次の欲求を満足する「具体的な方法が見つけられないだけ」と考えられます。
参考図書:スタンフォードの心理学講座 人生がうまく行くシンプルなルール、ケリー・マクゴニカル、日経BP社
十人十色、人により感じ方は異なる。
快追及型、苦痛回避型
- 快追及型とは、面白い事、好きな事、楽しい事を求めて行動する事にモチベーションを感じるタイプです。
- 苦痛回避型とは嫌な事を避けるためなら頑張れると思うタイプです。
- 自分・他人の軸でもタイプ分けが出来ます。
You Tube プロコーチChannelより
苦痛回避型も未来は当然望ましい、明るい未来を期待しているのです。ただ、アプローチの仕方でモチベーションに対するスイッチが異なるだけです。
快追及型は利益・獲得を重視します。フィードバックもポジティブな物がやる気のアップにつながります。一方、苦痛回避型は損失を避ける・安全を重視します。例えばテストで100人10番目の成績であった人に、「上位10位に入ったよ」というか「上位5位に入らなかったよ」とポジティブな面を強調するか、ネガティブな面を強調するかです。
快追及型はポジティブなFeed Backが効果的ですが、苦痛回避型にはネガティブな側面を強調したFeed Backを受けることで、失敗による損失を思い描き、望ましくない結果を回避する事にモチベーションが高まります。
一般に、失敗のFeed Backは効果が無いと考えられがちですが苦痛回避型のタイプの人には成功Feed Backよりも失敗Feed Backの方が効果的である場合があるのです。
ただ、普通の悲観主義者とことなり、過去の自分のパフォーマンス、能力は非常に肯定的に捉えており、非常に自己肯定感の強い人で、将来においては悲観的な未来を想像することでモチべ―ションが上がり、高いパフォーマンスを発揮する人が実際に存在します。防衛的悲観主義と呼ばれています。
参考文献:実力発揮メソッド、パフォーマンスの心理学 外山美樹 講談社
快追及型から見れば苦痛回避型はやる気がないように見えたりしがちです。自分は楽しくやりたいことに目を向けてやる気になっているのに、そっけないからです。
苦痛回避型から見れば、快追及型はいい事しか考えないと思うでしょう。
当然ですが、快追及型も苦痛回避型も実際には両方必要です。自分、および、部下がどちらのタイプなのか把握していると、この後紹介する声かけの仕方が変わってきます。
コントローラー、プロモーター、アナライザー、サポーター
タイプ分けは相手の関心がどこにあり、どんなことに価値をおいているのかを知るための1つの切り口に過ぎません。それをヒントにコミュニケーションを交わすことで、より早く、そしてより深く相手との関係を構築するための手段の一つです。
コーチングのタイプ分けとは「人の特徴は他社とのコミュニケーションの取り方の中に最も顕著に出る」といった前提に立った分類方法です。
コーチングの基本 鈴木義幸監修、COACH A 著 日本実業出版 P101,P102を参考にして図などは筆者の方で作成致しました。
各タイプの特徴
各タイプ別の対応方法
- コントローラーは指示をされるのを嫌いますので、複数の選択肢を用意して選ばせましょう。要望は理由を簡潔に示すのが良いです。「○○の理由で××をやって欲しい」
- アナライザーには出来るだけ前広に情報を開示しておくとよいと言われています。
- プロモーターには「次はこうしたらどうだ?もっとすごい事になるぞ!」と改善案である事を強調すると受け入れられやすい。細かい事は言わずにざっくりと信頼を伝えてお願いするのが効果的。たとえば「お前しかいないからさ、こんなことできるのは」などです。
- サポーターには「これならみんなも納得すると思います」と自分や他のメンバーと合意が取れる提案である事を伝えると良いと言われています。
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まとめ
- 人は誰でも人間としての社会的な欲求が有る。(マズローの欲求5段階説)
- 個人の欲求が会社に阻害されていると感じればやりがいがないと感じ、職場と個人の欲求がつながっていると感じればやりがいを感じる。
- やる気が無いのではなく、具体的に個人の欲求を満足する方法が分かっていないだけである。
- 人は快追及にやる気を感じる人もいるが、苦痛回避の方にやる気を感じる人もいる。
- 人の特徴としてコントローラ、アナライザー、プロモーター、サポータータイプに分類される。各タイプに合わせたアプローチも大切である。
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