製品不良の原因追及方法、手法、要因分析(魚の骨)の解説です。

物理化学的な原因の仮説検証方法

何故が明確でQCストーリが有効に機能するには以下の3条件が必要になります。

何故が明確でQCストーリが有効に機能するケ
  • 原理原則がはっきりしている。
  • 要因どうしに複雑な因果関係が無い。単独で不具合が発生する。
  • 発生原因を定量的に評価できる。

1、不具合内容

 お客様にガラスを届ける際、ある確率でガラスが割れているといった不具合に対する物です。

2、なぜ、ガラスが割れるか?

 ガラスが割れるには、非常に大きな力がかかるか、小さな欠点があって割れやすくなっているかのどちらかです。

 割れたガラスの破片があれば、割れた時にかかった力が推定できますので、入手できたいくつかのサンプルを観察したところ、比較的大きな力で割れていることが分かったので、欠点が入ってガラスが割れやすくなっている説はこの時点でなくなります。

3、要因分析

 原理原則は○○Mpa以上の応力がかかる、なので次は現実/データとの照合になります。現実/データーの切り口は、4M、(人/物/機械/方法)が一般的。必要に応じて、E(環境)、5M(測定/検査)を切り口として追加すれば良いと思います。

 現状を整理してみた所、お客様(開梱作業)/容器の種類/梱包方法によって割れ発生率に差がみられ、作業員や、輸送方法はあまり関係ないことが分かりました。

4、原因の追究(実験による確認

 当初、輸送中の衝撃で割れが発生すると思っていたので、実際に発生する応力を疑似試験を通じて確認したところ、破壊に達するような応力は発生しないことが分かりました。

 結局、色々調査した結果、梱包作業、あるいは、開梱作業方法に結局、ガラスに何かをぶつけて(接触させて)割れが発生してしまうことが分かりました。

5、対策/効果

 作業方法の見直しを工場/お客様にお願いし、容器自体の使い勝手も改善することで、非常に大きな改善効果が得られました。

ポイント

・原理/原則をデータと良く照合したのがポイント、社内的にも当初、誰も、作業方法に問題があるとは認識していませんでした。

・現場で作業する方にも、実際に、ガラスに色々なものを接触してもらい、一見、柔らそうな物でも、少し触っただけでも、ガラスが割れることを実感してもらったおかげで、対策もスムーズに進める事が出来ました。

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