相手も自分も嫌な気持ちになる会話パターン。交流分析の心理ゲームについて分かりやすく説明します。

心理カウンセリング

普段の会話の中で相手が怒り出し、「そんなつもりじゃなかったのに、、、」と思ったり、話を聞いていても、この人は何がしたいんだろう?何をウジウジ言ってるんだろう?とイライラしてくることありませんか?

お互い嫌な気持ちで終わる会話を交流分析ではゲームと呼んでいます。どうしてそういったゲームを人は行うのか?どうしたらゲームに巻き込まれないで済むのか?等、分かりやすく説明して行きたいと思います。

交流分析では本心を言わない会話は裏面的交流とよばれ人間関係を悪化させます。そのようなコミュニケーションの癖は。幼少期に出来上がると言われる人生態度(自己肯定/他者否定、自己否定/他者否定、自己否定/他者肯定、自己肯定/他者肯定)によるところが大きく、自分で書き上げた人生脚本に支配されている。と考えられます。

ゲームを理解するには交流分析を理解する必要が有りますので良ければ下の記事を参照ください。

ゲーム

ゲームとは、相手を思い通りに操作しようとする不快感を生じさせる「対話」と言われています。

少々分かりにくいですが、「言いたくない事」、「承認欲求が素直に言えない歪んだ形の承認欲求」があり、本心と違う形でコミュニケーションをとる、パターン化された会話の事を言います。

交流分析で言えば裏面的交流です。素直な交流ではないので色々な面で支障をきたすようになります。

本心を隠して裏面交流をしていると本人も意識して言うような場合、『嘘も方便』『暗黙の了解』といった程度であればまだよいですが、ゲームは更に思いが歪んでおり、お互い嫌な気持ちで終わることが多く、本心が隠されているので相手の本心も分かりにくいです。

本人は無意識にゲームを仕掛け、仕掛けられた方も普通はこれはゲームだとは気が付かないと言われています。最後にはお互い、何となく嫌な気持ちで終わる事が多く、人間関係の構築にいい事は有りません。

自分はそんなに性格は悪くないよ。と思っている方。誰でもゲームを仕掛ける事が有ると言われています。無意識なので本人が気が付いていないだけです。

ゲームのパターンを知っておくと、もしかしてこれってゲーム?と思う事もありますので役に立ちます。

ゲームの種類

自己肯定/他者否定のゲーム

私が、やっているなと感じたのは色々仕事を溜めて一杯一杯になって私は大変モードをまわりにまき散らしていた事です。

いわゆる苦労性ですね。

そもそも、ゲームというものを知るまで大変モードを周りに巻き散らかしているとの認識もありませんでした。

人に迷惑をかけてはいけない。の思いが強く、人に何かをお願いするのを良しとしない自分がいると思い至りました。

プライドが高いのだと思います。(ちなみに、それまで、私はプライドが高いなどと、思ったことは全くありません。逆にプライドは低い方だと勝手に思ってました。)

人に迷惑をかけてはいけないと、自分に縛りをかけて、逆に人に迷惑をかけていたのです。

「他人は自分の事を分かってくれない。」

「どうして私ばっかりこんな目に合わないといけない。」

「こんなに頑張っているのに。」

そんな風に思う事が多い方、一度自分とよく向き合うのをお勧めします。

世話焼きというのも有ります。

一言で言えばお節介です。世話を焼くのはいいのですが、往々にして相手を下に見ている自己肯定/他者否定の考えが有ります。

相手を支配したい。自分を尊敬して欲しいとの思いもあります。

私がいないとあの人は何もできない。というセリフは典型的ですよね。本人に聞いたらそんなつもりではない。相手の事が好きだから、、、、等といった答えが返ってきそうです。(すみません。経験無いので適当なこと言いました。)

相手と共依存の関係にあれば関係は成り立ちますが相手の為にもなりません。

「あなたの為を思って、、、、」と思う事が多い方はやはり一度自分と向き合うといいでしょう。

自己否定/他者肯定のゲーム

よく言われるのがマウントをとるような人は、一見、自己肯定感が強いように思われますが、実は自己否定/他者肯定の態度が有ると言われています。

特に、相手が自分より上と感じると、相手を貶めたい。自分より下に位置づけしたい。との思いからマウントを取ってくると言われています。

相手が上と思っている相手を貶める場合、本人はそのことに気が付いていないことが多いと言われています。自信の無さから、相手より上に立つ事で自己肯定感を得る。といった歪んだ思いが有ると言えます。

後、よく見るのが、はい、でもゲームです。何をいっても、でも、で返すタイプです

これも実は自分より上と実は思っている相手に、あなたの言いなりにはなりません。言う事は聞きたくありません。という態度を示して、相手をがっかりさせたい。自分より下に貶めたい。との気持ちが有ると言われています。

自分には良く分からないのですが、少なくとも、自分より下だと思っている相手には、はいでもゲームは仕掛けないのは何となくわかるような気がします。

同じ、自己否定/他者肯定の態度でも、相手を貶めたいといった思いではなく、私は劣っている事を認めてもらいたいという思いに駆られるコミュニケーションが有ると言われています。

愚か者、間抜けです。

愚か者は、何でも自分の事を悪く言う。相手にそんなことないよ。と言われると、いやいや、こんなことも、あんなことも、とますます自分の事を悪く言う。相手は根負けして、そんな事ばっかり言ってるから上手く行かないんじゃないの?という事で会話が終了する事が多いですが、お互いにすっきりしない会話となります。

ゲームはTPOにより変わる

ゲームは、言いたくないとの思いや、承認欲求が歪んだ形で現れる、裏面的な交流。(本心を隠した交流)です。それは、そもそも、自己否定や他者否定などの人生態度が原因となっている。というのが交流分析の考え方です。

それはそうなんだろうと思いますが、厄介なのは、自己否定や他者否定などは、TPO、時と場所と相手によって違ってくる。というのが、ますます難しくしている所が有ります。

人によって得意なゲームが有り、理由も色々ある。

その人が得意なゲームというのは持っていますので、「はい、でも」ゲームが得意な人。(好きな人)は色々なパターンで「はい、でも」でもゲームを仕掛けてきます。

相手を陥れたい。と思うマウントと同じような場合もあるでしょうが、私はダメだとの感覚を確認したい。愚か者、間抜け、の思いの方が強い場合もあるでしょう。自分の存在を認めて欲しいという、いわばカマッテちゃんの場合、話を長引かせるために「はい、でも」ゲームを仕掛ける事も有ります。

このように、ゲームの場合その裏に隠れた本心を読み取るのは非常に困難です。

単なる裏面的交流であれば非言語的な物から本心を汲み取ろうとする姿勢が大切ですが、ゲームの場合、ゲームにのらない。ゲームと気が付いた時点でゲームから降りるのが良いとされています。

ゲームの公式

ゲームには公式が有ると言われています。

転職癖 | 働く戦士サポート心理カウンセラーサイト (hsc-nakamura.com)より

はい、でも、ゲームで見てみましょう。仕掛け人部下、話を聞いてくれそうな上司にはい、でもゲームを仕掛けます。上司は、部下の相談は聞かなければといった弱みを持っています。

実際に、はい、でも、ゲームが始まり、(反応していくと、上司の方がイライラし始めて、結局、私のアドバイスなんか必要無いんじゃないの?と怒り出したとします。

そうすると、役割交換が起こります。部下は、相談者で助けて欲しいと思っていたのが、批判を受けることになり、上司は部下の相談にのっていたはずが、攻める立場になってしまいました。

その為、双方に混乱が生じ、お互い、嫌な感情(報酬)だけが残る。というものです。

ドラマ三角形、迫害者、被害者、救済者

人はゲーム同様、ドラマも無意識に演じていると言われています。ドラマですから登城人物が増えて3名になります。

登場人物は以下の通り。

  1. 迫害者
    • 自己肯定/他者否定の態度でCPの自我状態で犠牲者を迫害します。
  1. 犠牲者
    • 自己否定/他者否定のFCの自我状態で、何もできません。といった態度です。
  1. 救済者
    • 自己肯定/他者否定、NPの自我状態で、救済者に偽りの救済(世話焼き)を行います。

このような役者がそろうと、ドラマが完成。救済者と犠牲者の間には共依存の状態となり、ともに、迫害者の敵となります。迫害者はますます燃えて迫害を続けます。登場人物も自分の得意のゲームを行っているのでこの三角形はそういった意味では成り立って安定しています。

迫害者・犠牲者・救済者のロールから脱出する ~ドラマトライアングル×プロセスワーク~ | プロセスワークを活用した組織開発とコーチング~バランスト・グロース・コンサルティング (balancedgrowth.co.jp)より

ところが、この関係はおかしいと誰かが気が付くとこの関係性は簡単に変わります。

例えば、犠牲者が救済者に、結局僕を助けられなかったと言って迫害者に回る、そうすると救済者が被害者に回るかなど、役割交換が頻繁に起こりゲームが(ドラマが)すっきりしない、嫌な結末に向かって進みます。

また、迫害者でも他のメンバーとの中では被害者にもなり得ます。相手によって迫害者にも犠牲者にも救済者にもなり得る。という事です。右の図を参照してください。

ゲームの防ぎ方

ゲームに気が付いたら

既に記載しましたがゲームは無意識に行うもので普通は気が付きません。しかし、ゲームのパターンを知っているともしかしてこれがゲームと疑えるようになります。

ゲームは仕掛ける側はこれはゲームだ。と思えばやらなくなります。逆に仕掛けられる場合はこれはゲームだと気が付いたら、フェードアウトするのが一番です。

実際には、話を交叉的な会話ではぐらかすのが良いとされていますが、ユーモアっぽく返せればいいですが実際にはなかなか難しい所が有ります。

はい、でもゲームであれば、2回ぐらい続いたら、あっそ、じゃ、あなたが思う通りにしたら?とか、あなたの案がまとまったらまた相談しよう。など、ゲームから降りるのも比較的簡単です。

しかし、他のゲーム、例えばマウントを取ってきている相手には難しい所が有ります。相手に言い返そうと思うと相手の思う壺です。事実に着目したアダルトな自我状態での会話が相手を冷静にさせると良いとも言われますがそんな簡単ではありません。

これはゲームだ。と思い、聞き流す。いかにも興味がないように、取り合わない。そういった人と、距離が取れるなら距離を取る(その場から離れる。)のも大切だと思います。

自己肯定/他者肯定の態度を獲得する

そもそもの対策です。人生脚本を書き換える。その為に、自分の禁止令やドライバーに気が付き、それを許す。時間の構造化を検討し、プラスのストロークを多くとれるように生活を見直す。など、です。

詳しくは、冒頭に紹介した交流分析の記事を参照ください。

まとめ

  1. ゲームとは交流分析で言われる裏面的交流であり、「言いたくない事」や「歪んだ承認欲求」などが原因で、お互いに嫌な後味の悪い会話パターンの事である。
  2. ゲームを仕掛けるのは、自分の人生態度で、自己否定や他者否定のネガティブな態度が「歪んだ承認欲求」の原因であり、そのことに本人も気が付かないで行われる。
  3. 仕掛けられる方も、弱みを持っており、相手の本心に気が付くのは非常に難しい。
  4. ゲームの種類は色々あるが、はい、でも、世話焼き、マウントを取る。愚か者、間抜け、などが有る。
  5. ゲームには最終的にお互いが嫌な思いを抱くまでの公式がある。
  6. 3人でゲームを演じる事もあり、ドラマ三角形と呼ばれる。(犠牲者/救済者/迫害者)
  7. ゲームは気が付いた時点でゲームをやめる。ゲームに乗らないのが大切である。
  8. 根本的には、自己肯定/他者肯定の態度になるように、人生脚本を書き換えてプラスのストロークを多くとれるように生活を見直すことが大切である。

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