4M変更申請、設計変更について、気を付けるポイント

品質マネージメントシステム

 開発品の状態であれば設計変更となりますが、実際に量産になると、管理して行く必要がります。人や材料、機械、方法を変更する際には関係者でリスクをチェックしたり、実際に流動して品質を確認したり、場合によってはお客様に説明する必要が有ります。

 4M変更は通常、製造が起案をして品質保証部が承認するのが普通ですが、設計/開発部門が判定に加わるような場合も出て来ます。

 私の場合は、梱包容器を設計/開発していた部門に所属していましたが、メーカー/社内の4M変更/設計変更/受入検査/運用管理基準すべて構築した経験があるので、その経験を中心に、大切と思うことを紹介したいと思います。

4M変更を申請する際の判断基準は?

4M変更、申請する際の判断基準は?
  1. QC工程表に記載事項を変更する場合
  2. 新規装置導入
  3. 材料加工メーカー変更
  4. 加工工場変更

 上記判断基準は私が容器メーカーさんにお願いしていた判断基準です。品質に影響を与えそうな変更と言われても、人によって判断が異なるので、上記のようなお願いをしていました。

 4M変更の申請基準を決めておくことは社内においても、対外的にも、大切だと考えています

実際には何故申請しなかった?と揉めることが多く、申請基準を決めたというのが正直な所です。

社内であれば、作業標準書レベルでも、変更する際には、履歴を残す必要があります。管理基準を変更する場合は間違いなく4M変更は提出すべきだと思います。

決裁者、関係者を明確にする

一般に4M変更は品質保証部が最終的に決済するのが通常です。しかし、4M変更に伴い影響する範囲はQCD(品質、コスト、デリバリー)に広く影響し、品質的な面だけで判断できるのは実はそんなに多くありません。

場合によっては営業の方に決裁してもらった方が良い場合もあるでしょう。決裁するにあたり関係部署の見解をもらったうえで決定するか、影響が大きい場合は協議によって決裁したことが良い場合もあります。

また、結果を知らせておくだけで良い部署もあるでしょう。

大切なのは、決裁はどのようにするのか関係者でよく協議しておく事が4M変更を意味あるものにする上でも大切です。

4M変更の評価項目

4M変更の評価項目
  1. 品質に与える影響(書類審査/初期流動評価/特別追加実験)
  2. コスト/デリバリーに関する影響
  3. 対外的なお客様への説明が必要か否か、お客様の評価が必要か否か

 上記は一般的にも言える内容かと思います。量産品ですので、お客様に説明/評価が必要か否かの観点での評価は大切だと思います。 

他の規定との関連

 設計変更やクレーム管理、教育管理規定(人の変更)など、4M変更に関連する他の規定との関係性は良く整理する必要がります。同じような事を2重で実施するのは無駄でしかありません。

 例えば、設計変更においては、実際に量産して行くと色々改善すべきことが出て来ます。製造が改善活動で改善できるものは製造が改善をしていきますが、設計そのもので見直して欲しいというものが出て来ます。

 具体的には、製品であればクレーム対応で設計を見直さなければならない場合やお客様の仕様変更に伴い設計を見直す場合、コストダウンのために設計を見直してくれ、等色々あるでしょう。

 なので、同じ設計変更のくくりでも、これはクレーム対応なのか、コストダウンのための変更なのか、操作性などの改善なのか?など、都度、緊急度、状況に応じて進めて行く事になります。

 また、設計変更と言っても、新たに開発案件のある物から、製造と一緒になって取り組んだりするものまで色々です。設計にまで立ち戻って設計変更のプロセスでしっかりフォローするのか、4M変更で記録として残すのがメインの目的で運用する場合もあるでしょう。

 各種の設計変更に関して、クレーム管理で運用するのか、設計変更管理で回すのか、4M変更で回すのが良いのか、誰がどうやって決めるのか事前に決めておく事は大切です。

初期流動品の管理

4M変更品、あるいは、設計変更品など、従来から変更があったものは、初品の流動ではどういった評価をするのか事前に決めておく事が大切です。実際には、品質保証部が管轄する事になります。

お客様への説明、申請について

私がメーカーにお願いしていたように、4M変更が必要なケースを明示して下さるお客様はそのガイドラインに沿って申請する事になります。

ガイドラインから見れば申請する必要が無くても、申請が必要か悩むケースはよくあるのではないでしょうか?

ここで大切なのは、社内においては、たとえ軽微な事であっても営業、品保、製造の関係部署には必ずオープンにすることが大切です。

お客様に説明する必要があるかどうかは議論になりますが、何かあった場合は信用問題になります。

まとめ

  1. 4M変更申請
    • 申請基準を決めておかないと、揉める原因になる
    • 4M変更の評価ポイントはQCDの他に、お客様への説明が必要か否か?
  2. 設計変更
    • 設計変更が必要な理由/背景をよく理解し、関係部署と連携して設計変更を進める
    • 開発案件に近い物は、設計/開発プロセスに則って進める。
    • 軽微なものは4M変更のシステムに含めた運用を図る。
  3. 初期流動品の管理
    • 工程変更、設計変更があったものは、初回の流動品はどのような評価をするのか事前に決めておく事が大切

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