FMEA(故障モード影響解析)とFTA(故障の木解析)/ロジックツリーを組み合わせたリスク対策

本格検証/設計審査

「FTA/ロジックツリーとFMEAの組み合わせ」がお勧め方式

FMEAのメリット/デメリットを考えると、次のようにまとめることが出来ます。

メリットデメリット
リスクを定量的に評価できる時間がかかる
網羅的にリスクを評価できる事前準備の精度により結果が異なる
お勧めのリスク対策

FMEAの欠点である時間がかかる、事前準備の精度の影響を少なくするために、トップダウン方式であるロジックツリーあるいはFTAと呼ばれる方式で、重大事象を部品/工程にまで展開し、FMEAでリスクを定量的に評価する方法をお勧めします。

ロジックツリーとは?

1.ロジックツリーとは?

 ロジカルシンキング関連の本なり、資料を見ていただければ、必ず出ている考え方です。問題の原因解明や、解決策立案のために、ツリー状に分解して展開していく方式です。

 もれなくダブりなく(MECE)分解して行くことが大切であると言われており、以下のように4種類のロジックツリーがあると言われています。

ロジックツリーの種類
  1. What:要素分解ツリー、物事を要素ごとに分解し、網羅的に理解する使い方
  2. Why:原因追及ツリー、解決したい問題に対して、なぜなぜ分析を行い展開していく方法
  3. How:問題解決ツリー、解決したい問題に対して解決策を展開していく使い方
  4. KPIツリー、上位目標から買い目標に展開していく使い方

2、ロジックツリーの例

ネット:どこがマズイ?なぜなぜ分析 簡単な例でわかる | 論理思考補足編 | ロジカルシンキング研修.com (ltkensyu.com)より、抜粋して引用しています。

 リスク対策には2の原因追及ツリータイプを使います。結局なぜなぜ分析をもれなくダブりなく実施しましょう。ということです。

 次の図を見てください。

次の図を見てください

 所定の電流が流れているのに電気がつかない場合を考えることで、フィラメントが点灯温度に達していない場合が考えられ、場合分けすることでフィラメントの熱容量が大きいなどの原因まで可能性を広げる事が出来るのが分かります。

FTA(故障の木解析)とは?

1、FTA解析例 株式会社イーコンプライアンス FTAとは? (ecompliance.co.jp)より引用

 ガス爆発のFTAによる原因解析

 まずガスが爆発するためには、「点火源」と「空気」と「可燃性ガス」が同時に存在しなければならない。ここで空気をなくすことはできないので「空気」は除外する。
「可燃性ガス」が存在するということは、タンクから漏えいしたこと以外に考えられない。図においてこの「タンクからの漏えい」はもうこれ以上原因を展開するできないため非展開事象と呼ぶ。
 非展開事象はひし形で表す。次に「点火源」であるが、「熱源」か「電気火花」か「直火」が原因であると考えられる。
「熱源」と「直火」は非展開事象である。
「電気火花」の原因は「断線」または「ショート」である。
「断線」や「ショート」も非展開事象である。

 ガス爆発の発生を防ぐためには、「熱源」や「直火」を遠ざけ、「断線」や「ショート」や「タンクからの漏えい」を防止すれば良いのである。

ロジックツリー(原因追及ツリー)とFTA(故障の木)のメリット/デメリット

ロジックツリー、FTAのメリット/デメリットを比較すると下の表のようなことが言えると思います。

 製品を据え付けて使用するような場合にはFTAの方が効果的、様々な環境下で使用されたり、移動が伴うような製品の場合はロジックツリーの方が広く考えられ効果的と考えています。

 私が長年担当してきた梱包容器はロジックツリーを使って、輸送方法、荷固め方法など、色々なケースでの原因/要因を評価しています。

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